この度、「中村人形と太宰府天満宮」と題し、初代から四代に渡って人の祈りを形にするという理念を貫いてきた中村人形の100年の足跡を太宰府天満宮宝物館にてご覧いただける運びとなりました。
前期後期合わせて約半年にわたり展覧会を開催させて頂きます。
前期は、四代にわたる作品群を俯瞰するとともに太宰府天満宮所蔵の三代目信喬の多くの作品群を中心に構成しています。
後期は打って変わり四代目弘峰の所蔵作品や最新作を中心に展開する予定です。
人形も神社もそれぞれが祈りというものに向き合い続けるという点で深く繋がっています。現代における人の祈りにはどんな意味があるのか。その模索を提示します。
是非この展覧会をご覧いただければ幸いです。どうぞよろしくお願いいたします。
「中村人形と太宰府天満宮」
前期:令和3年(2021)9月18日(土)~12月7日(火)
後期:12月11日(土)~令和4年(2022)3月13日(日)
※9月20日、1月10日を除く月曜休館
開館時間:9時~16時30分(入館は16時まで)
会場:太宰府天満宮宝物殿 第2・企画展示室 〒818-0117 福岡県太宰府市宰府4-7-1
観覧料:一般500(400)円・高大生200(100)円・小中生100(50)円
※( )内は30名以上の団体料金、障害者手帳提示により付添者1名まで半額料金
主催:太宰府天満宮
協力:RKB毎日放送
この度太宰府天満宮宝物殿では、創業大正6年(1917)の老舗中村人形四代の人形師に焦点を当てる企画展「中村人形と太宰府天満宮」を開催します。
初代
筑阿弥(正雄1897~1947)が博多人形を生業としてはじめた中村人形は、衍涯(1921~1992)、信喬(1957~)、弘峰(1986~)へと脈々と受け継がれてきました。博多人形は、慶長5年(1600)の黒田長政の筑前入国に伴い、集められた陶工たちが生み出したのが原点と伝わります。素焼きに着彩という大原則の他は作り手に委ねられるという、博多人形の大らかな土壌は、確かな技術と精神を受け継ぎ、時代とともに常に変化していくことを是とする中村人形の理念を醸成してきたのです。さらに、近年創作の場は国内外に広がり、もはや博多人形という枠を超越した人形のありように熱い視線が注がれています。
当宮では、平成14年(2002)の御神忌1100年大祭を機に、予てから親交のあった三代 信喬氏に境内の樟を材料に、御祭神
菅原道真公と縁の深い御神牛の制作を依頼したことに端を発して正月の縁起物を中村人形が手掛けてきた一方で、信喬氏、弘峰氏の作品を次の100年、200年後の宝物にと収集を続けてきました。伝統工芸の世界に身を置きながら、作品を通して、古来変わらない人の祈りに時代の今を見出そうとする中村人形に通底する姿勢を前期、後期のバラエティーに富んだ内容でご紹介いたします。